歩け命有る限り

父はろくでもない性格でして、テレビに障害者が写ると、
「気持ち悪り−変えろ!」
と言ったりします。ホ−ムレスも馬鹿にします。
「こいつら汚ねぇ!こんななったら人間終わり!」
泣いている人を、
「なんだこの顔!ブサイクだな!ヒャヒャ!」
父は昼間から飲んだくれて一日をテレビの前で過ごしています。そんな父が散歩するのを日課にすると言い出しました。
「万歩計を買ってこい!買ってくるのじゃ!」
俺はとても良いことだと思い、万歩計を買ってきて上げました。1000円もしました。父も喜んでくれました。
父が心身ともに健康になってくれるのを楽しみにしていましたよ。
この時迄は。
昨日、何歩歩いたか万歩計を見せてもらったらなんと、
72歩・・
なんだこりゃ?接触悪かったのかな?
父に聞いてみたら外には行っていない家の中で歩いたと言う。
まぁ、初日だからな。
明日ぐらいから散歩始めるだろうと思いました。
何故か寝ている時もしていました。外に出る時だけでなく家の中でもずっとすると言ってました。
これがいけなかった・・
今日帰ってきて父に何歩歩いたか聞きました。帰ってきた答えは予想だにしない答えでした。なんと、その答えとは!



便所に流した


でした。小便をしようとしてズボンを下げたら、落ちてしまってそのまま流しちゃったんだって!
家の中で付けるからだ馬鹿!
呆れました。1000円もしたのに!しかし少しはやる気にってるんでまた買って来てあげる約束をしました。今度は100円ショップで買ってきます。
一方母は激怒!
「トイレ詰まるだろうが!もう買ってくんな!こいつはもうほっとけ!!」

父はとくに反省するでもなく、ライターのガスも買ってこいと言います。

画像は二日で消えた1000円の万歩計。